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2023.03.24
ニューパワー事業にまつわる2022年の5大ニュース ― 脱炭素社会実現のためのカミンズの取り組み
カミンズのニューパワー事業にまつわる5大ニュース
2022年、カミンズはさらなる技術革新を行い、ニューパワー事業を拡大させました。脱炭素社会の実現に向けて、当社に新たに加わった技術にはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、ニューパワー事業にまつわる5つのニュースをピックアップしてご紹介します。
1.LFPバッテリーを新たに採用
カミンズのバッテリーラインナップに、LFPバッテリー(リン酸鉄リチウム電池)が新たに加わりました。LFPバッテリーとは、中型トラックやスクールバスで使用されることの多い蓄電池です。充電速度が早く、寿命が長いうえ、製造にニッケルやコバルトを必要としないため、より安価で持続可能な電池と言われています。
高速充電、高出力、10%の長寿命化を実現したカミンズLFPバッテリーは、連続運転にも対応可能で、総所有コストの低減にも貢献します。
2.世界初!100%水素で動く旅客列車を実現
ヨーロッパで、100%水素で動く列車が走り始めたことをご存知でしょうか。フランスの車両メーカー・Alstom社の旅客列車「Coradia iLint」は、カミンズの燃料電池システムを搭載することで、世界初となる100%水素燃料での運行を実現しました。
「Coradia iLint」は水素燃料をエネルギーに変換して走行するため、非電化路線でもゼロエミッションの運行が可能。運行中に排出するのは蒸気と凝縮水のみで騒音も少ないため、乗客はもちろん、乗務員の快適性も向上します。
列車に使用される水素燃料電池システムは、ドイツ・ヘルテンにあるカミンズの水素燃料電池システム生産センターで生産されています。
3.電動パワートレインが正式デビュー
2022年9月には、カミンズのバッテリーシステムと統合した「メリトール17Xe ePowertrain」を発表しました。17Xeは、車載総重量44トンの大型トラック向けに設計された電動パワートレインで、カミンズの新しいLFPバッテリー(リン酸鉄リチウム電池)パックを搭載しています。
ePowertrainを始めとするカミンズのクリーンなドライブトレインオプションは、大型・中型トラックやバスの運用に大きな利益をもたらすことが期待されています。
4.世界各地でグリーン水素経済の発展に貢献
2022年は新たなインフラプロジェクトを支援し、世界各地でグリーン水素経済の発展を前進させました。以下にその一部をご紹介します。
スペイン:カスティーリャ・ラ・マンチャ州グアダラハラでは、ギガワット級電解質膜製造工場の建設に着手しました。20万平方フィートあるこの施設は、2023年末に完成予定となっています。年間500MWの生産能力を持ち、年間1GW以上まで拡張可能です。
ベルギー:Oevel電解槽製造施設は、「IPCEI(欧州共通利益に適合する重要プロジェクト)Hy2Techプログラム」により、生産能力を1GWまで拡大しました。また、当社が開発中の新世代 PEM 電解槽セルスタックは、IPCEIの支援により進められています。これは大規模水素製造システムへの電力供給に活用される予定です。
カナダ:オンタリオ州ミシサガのキャンパスを拡張し、水素技術に特化した施設を増設しました。これにより、水素生産能力の促進や新製品の開発が可能に。北米の水素市場の発展にさらに貢献できるようになりました。
5.米国でも電解槽の生産を開始
2022年10月には、ミネソタ州フリドリー工場で、米国で初となる電解槽の生産を開始することを発表しました。米国のグリーン水素経済を推進するため、年間500MWの生産からスタートし、将来的には1GWまで拡張する予定です。
カミンズは2023年もニューパワー事業に力を入れ、脱炭素社会の実現に貢献することをお約束します。
※この記事は、2022年12月22日に英語版で公開された記事を抄訳し、再構成したものです。