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2023.03.24

カミンズの石油・ガス業界向けデュアルフューエルソリューションが、EPA Tier4適合認証を取得-エンジン性能と環境対策、コスト削減を両立

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カミンズのデュアルフューエルソリューションが、EPA Tier4適合認証を取得

石油・ガス市場向けに掘削用のエンジンを開発・販売してきたカミンズ。そのソリューションは、高い革新性と信頼性によって業界から支持を得てきました。なかでも、米国環境保護庁(EPA)のTier4に準拠したエンジンは、オーバーホール(分解・清掃)までの時間が2万時間以上ときわめて長く、石油・ガス採掘の現場で800万時間以上もの稼働実績があります。

2021年9月、カミンズは石油・ガス市場向けの新たなデュアルフューエルエンジンの提供計画を発表しました。その後、デュアルフューエルエンジンのEPA Tier4の要件を満たして認証を取得。2022年の第3四半期から生産開始予定であることを2022年7月に発表しました。

石油・ガス業界でデュアルフューエルエンジンを使用するメリット

デュアルフューエルエンジンは、ディーゼルと天然ガスの混合燃料で動作するエンジンで、石油掘削現場において多くのメリットがあります。ここでは代表的な3つのメリットを紹介します。

メリット①環境負荷の低減

デュアルフューエルエンジンを使えばディーゼル燃料の消費量を減らせるため、ディーゼル燃料の輸送・精製による環境への影響を抑えられます。また、ディーゼルエンジンでは石油採掘時に発生する余剰天然ガスのフレアリング(焼却処分)によるCO2発生などが問題となっていました。しかし、デュアルフューエルエンジンは余剰天然ガスを燃料として使用できるため、フレアリングが削減できます。

また、カミンズのデュアルフューエルキットを使えば既存エンジンの使用期間を延長できるため、機器の廃棄数を減らすこともできます。

メリット②コストの削減

余剰天然ガスを利用することでディーゼル燃料の消費量を少なくできるため、燃料コストを削減できます。また、ディーゼル燃料の生産、貯蔵、輸送およびポンプ車での配送貯蔵、精製などにかかるコストも抑えられます。さらに、カミンズのデュアルフューエルキットを使えば、新しいエンジンを購入するよりも低コストでの運用が可能です。

メリット③ディーゼルエンジンと似た性能

デュアルフューエルエンジンは、理想的な動作範囲における最大の代替率(天然ガスの混合率)で運転しながら、ディーゼルエンジンと同等の出力密度(単位体積当たりの出力)と過渡応答性能(さまざまな出力需要に対応する能力)を発揮します。そのため、従来のディーゼルエンジンと同等の信頼性を期待できるのです。

カミンズが提供するデュアルフューエルソリューションの特徴

カミンズのデュアルフューエルソリューションは、QSK50 Tier 4 finalエンジンにデュアルフューエル部品を備えたキット(デュアルフューエルキット)を統合したものです。最初のエンジンとして本ソリューションを購入することができるほか、所有するエンジンにデュアルフューエルキットを後付けすることも可能です。いずれの場合も、柔軟な運用が可能となり、購入費用とメンテナンス費用などを含む総コストの改善を実現します。

また、カミンズのデュアルフューエルソリューションは、運転状況に応じて、ディーゼル燃料モードとデュアルフューエルモードをシームレスかつ自動で切り替えます。これにより、掘削現場における天然ガスの入手量に基づいた対応が可能となります。

石油・ガス業界と地球の未来に貢献するカミンズ

カミンズのデュアルフューエルソリューションは、最適なエンジン性能を維持しながら、燃料節約や排出ガス削減をサポートする製品です。石油・ガス業界が環境負荷の低減とコスト削減に力を入れる今、カミンズの未来志向のソリューションには大きな期待が集まっています。

カミンズはこれからも、環境に優しいデュアルフューエルソリューションの開発に力を入れ、石油・ガス業界の発展と地球の未来に貢献していきます。

※この記事は、2022年7月26日に英語版で公開された記事を抄訳、加筆したものです。

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