会社の注目
2023.06.05
トラック業界を支えるカミンズの技術力―排出ガスゼロを目指す取り組み
大小様々なトラックで使用されるカミンズ製エンジン
天然ガスや水素などの代替燃料エンジン、ハイブリッドエンジン、ディーゼルエンジン、発電機——。様々な動力源を製造するカミンズでは、トラック用エンジンの技術開発にも力を入れています。
具体的には、バンやピックアップトラックなどの軽商用車から中型トラック、大型トラック、ゴミ収集車やコンクリートミキサー、ダンプトラックなどの業務用車両まで。大小を問わずあらゆるトラックに搭載可能なエンジンが揃います。なかでも中型トラック用エンジンは北米で最大のシェアを誇り、その性能は30年以上にわたって実証されています。
また、ドイツのダイムラートラックと提携し中型トラック用エンジンを開発しているほか、日本のいすゞ自動車にも中型トラック用エンジンを提供するなど、世界中でカミンズのトラックエンジンが活躍しています。
カミンズが注力するゼロエミッショントラック開発
世界規模での気候変動にともなって輸送トラック業界では喫緊の対応が求められており、カミンズでも温室効果ガスの排出を削減するエンジンの開発に力を入れてきました。
2021年に北米向けの市場投入が発表された大型トラック用の天然ガスエンジン「X15N」は、トラックのゼロエミッション化への取り組みから生まれました。このエンジンは業界で大きな注目を集め、2022年4月、「HDT 2022 Top 20 Products」に選ばれました。これはアメリカのトラック専門誌『Heavy Duty Trucking(HDT)』が前年に販売された新製品を評価し、その上位20製品を発表するもので、「革新性」「課題対応力」「経済性」が評価基準です。
天然ガスエンジンは温室効果ガスの排出を減らし、大気汚染の低減を実現します。このエンジンに有機廃棄物から回収したメタンを主燃料とする再生可能天然ガス(RNG)を搭載すれば、大型トラックのカーボンゼロまたはカーボンネガティブが期待できます。当社のエンジン事業の責任者であるSrikanth Padmanabhanは、次のように語ります。「天然ガスエンジンという選択肢は、既存のディーゼルエンジンに対してもコスト競争力をもち、排出ガスの削減も可能にする素晴らしいものです」
また、日本でもすでに販売されている「ISX12N(2018)」も排出ガスがほぼゼロとなる天然ガスエンジンの一つです。スモッグの主な原因である窒素酸化物の排出量を、米国環境保護庁(EPA)の2017年時点の基準値に対して90%削減しており、再生可能天然ガスを燃料とすることもできます。このほか、スカニアと共同で燃料電池電気トラックを開発するなど、さまざまな取り組みを行っています。
カミンズは、2030年までに新規販売製品からの排出量を30%削減し、2050年までにパリ協定の目標に沿ったカーボンニュートラルを実現することを目指しています(環境サステナビリティ戦略「PLANET 2050」)。製品ラインアップの拡充はその達成に寄与するものです。世界のエンジンを担うエナジーソリューション企業として、私たちはこれからも脱炭素を可能とする新しい技術の開発に向け、たゆまぬ努力を続けていきます。
※カミンズ製トラックエンジンについてはこちらのページをご覧ください。
また、天然ガスエンジンについての詳しい情報はこちらをご確認ください。