会社の注目
2023.06.26
シェア7割。香港の2階建てバスを支えるカミンズ製エンジン
香港の過酷な運行環境にも対応する高性能なエンジン
貿易と金融の中心地であり、観光地としても人気を集める街、香港。2階建てバス(ダブルデッカーバス)が走る賑やかな街をイメージされる方も多いでしょう。そのイメージ通り、街の中には路線が網の目のように張り巡らされ、毎日400万人以上もの人々(2019年時点)がバスを利用しています。
私たちは長年、香港の交通網を支えるバスにエンジンを提供してきました。2020年にはL9エンジンを載せた「ADL Enviro500」が新たに導入され、香港を走る3軸2階建てバスの約7割にあたる4500台がカミンズ製エンジンとなりました。
香港では、湿度の高い気候の中、乗客を満載して急勾配の道を走ることが求められます。そのため、パワーと安定性はバスエンジン選びの重要な要素となります。L9エンジンはクラス最高の出力性能を備えており、非常にパワフルなのが特徴。可変容量ターボチャージャー(VGT)を備えているため加速性にも優れ、静かでスムーズな運行が可能です。さらに、街中や郊外で使用された場合は1日20時間の稼働に、高速バスとして使用された場合は年間20万kmもの走行に耐えられることが証明されています。
また、香港で運行するバスは、EUによる大型トラックやバス向けの排ガス規制「Euro VI」の基準を満たす必要があります。これに対応するため、カミンズはL9エンジンに「選択触媒還元脱硝装置(SCR)」および「ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)」を統合した排出ガス後処理システムを搭載。排出ガスの削減にも成功し、香港の厳しい運行環境に対応するエンジンを実現させました。
高性能なエンジンで交通インフラを支える
カミンズは、2階建てバスのほか一般的な乗合バスやスクールバス、電動バスなど、世界中で利用される様々なバスに向けたエンジンを開発しています。幅広いエンジンラインアップをそろえているのが、当社の大きな強みです。
近年はバスのゼロエミッション化にも力を入れて取り組んでおり、2019年にはスクールバスメーカーのBlue Bird社と共同で、電動スクールバス事業をスタート。カミンズの電気駆動システムで走る100台以上の電動スクールバスが、アメリカ全土で活躍しています。
バスの使命は、お客様を安全に目的地まで送り届けることだけではありません。安定して稼働し続けることも、交通インフラとしての大切な役割です。カミンズは人々の暮らしを支えるエナジーソリューション企業として、今後も、高性能かつ環境にやさしいバス用エンジンの開発に向けて努力を続けていきます。
※カミンズが提供するバス用エンジンのラインアップについては、こちらのページをご覧ください。