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2022.08.11
カミンズ、コマツと鉱山用ダンプトラックのゼロエミッション化で提携を発表
鉱山用運搬車両のゼロエミッション実現に向けて
カミンズは、建設・鉱山機器メーカーの株式会社小松製作所(以下、コマツ)と、基本合意書を締結し、鉱山向けダンプトラックのゼロエミッション動力源の技術開発において協業することを、2022年6月29日に発表しました。カミンズとコマツは、様々な鉱山機械や建設機械のディーゼルエンジン事業で、長年、パートナーシップを築いてきました。今後は、鉱山向けダンプトラック用の水素燃料電池ソリューションなど、ゼロエミッションの実現に注力する予定です。
当社の副社長であり、ニューパワー事業部のプレジデントでもあるエイミー・デイビス(Amy Davis)は、今回の協業にあたり、「コマツの鉱山機械設計に関する深い専門知識と、当社の水素燃料電池を含む先進技術の治験を組み合わせることで、鉱山機械の脱炭素化を加速させることができるだろう」と述べています。
この協業は、2021年8月にコマツが発表した、ディーゼルエレクトリックやトロリー、燃料電池、水素など、あらゆる動力源で稼働可能というコンセプトをもつ「パワーアグノスティックトラック」の開発の一部を担うものです。カミンズは、動力源に関する幅広い知識と技術力に加え、脱炭素化に必要なバッテリーや燃料電池システム、水素生成用電解槽の幅広いポートフォリオをもっています。それらの知見を、鉱山の過酷な環境に耐えうる製品の開発のために提供する予定です。
コマツのマイニング事業本部長である森山雅之氏は、「カミンズはエネルギー転換に必要な技術の開発に力を入れている。それは鉱山業における温室効果ガスの削減と、カーボンニュートラルへの貢献に不可欠なものだ」と述べ、当社との協業で脱炭素化に向けた動きを加速させる姿勢を示しました。
コマツの脱炭素化への取り組みとカミンズ
コマツは、2030年までに製品の使用と機器の生産に伴うCO2排出量を2010年の水準と比べて50%削減し、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げ、事業における環境への影響を最小限に抑えるための様々な施策を行っています。さらに、ハイブリッド油圧ショベル、バッテリー駆動式ミニショベルなど、多くの分野で革新的な製品開発を行い、温室効果ガス排出削減を進めています。
また2021年には、次世代のゼロエミッション鉱山機械とインフラ整備を行うため、大手鉱山企業との温室効果ガスアライアンスの設立を発表しました。このアライアンスでは、「パワーアグノスティックトラック」の2030年までの商用提供を目指しています。
カミンズはデスティネーション・ゼロ戦略の一環として、コマツとの提携を進めています。デスティネーション・ゼロ戦略では、製品による温室効果ガス(GHG)と大気環境への影響を低減し、2050年までに排出量の実質ゼロ(ネットゼロエミッション)を達成することを目標としています。この取り組みには、製品だけでなくその動力源となるエネルギーソースの変更が必要となるため、カミンズはコマツと提携し、さらなる可能性を追求していく予定です。
※この記事は、2022年6月29日に英語版で公開された記事を翻訳したものです。