会社の注目
2023.07.24
<導入事例>カミンズ製発電機が、NEXTDC社のデータセンターで非常用電源として活躍
課題
NEXTDC社の要求に合わせた非常用電源システムを設計し、従来とは異なる環境に設置する。また、作業レベルや装置の性能を落とさずに、短納期でシステムを構築する。
解決策
QSK60エンジンを搭載したC2250発電機セット3ユニットとDMC1000デジタルマスターコントロール3台から構成された、5.4MWの非常用電源を設置。
結果
NEXTDC社は高い信頼性と接続性を兼ね備えたデータセンターの運営者として、クラウド革命の最前線に立ち、クラウド導入を次のレベルへと推進している。
オーストラリア全土でデータセンターを運営するNEXTDC社
顧客のサーバや通信機器などを収容・運用する専門施設、データセンター。近年のデジタル化にともない、データセンターの数は世界的に増加傾向にあります。オーストラリアを拠点とするNEXTDC社も、急速に拡大するデータセンター市場をリードする企業の一つです。
NEXTDC社は、オーストラリアのIT・インターネット業界で大きな成功を収めたBevan Slattery氏によって2010年に設立されました。同社は現在、企業や政府機関向けのデータセンターをオーストラリア全土で運用。高い可用性と接続性、セキュリティを提供することで、クラウド革命を推進しています。
2011年にブリスベンに開設された「B1データセンター」は、NEXTDC社の最初の施設です。最高レベルのセキュリティを有しており、システムの稼働率は99.982%と極めて高く維持されています。また災害や停電などにも強い、高品質な施設です。
B1データセンター内の機器には、少なくとも一つのバックアップ機が用意されています。メインのシステムに障害が発生した際にも顧客のビジネスが継続できるよう、メイン機とバックアップ機が常に並列稼働しているのです。
データセンターに格納されている全ての機器を動かすには、膨大な電力が必要です。さらに、機器からはかなりの熱が発生するため、これらを効率的に冷却するための電力も求められています。このように大量の電力が必要なデータセンターでは、緊急時でもコンピュータ内のデータを守り稼働を継続させるため、バックアップ電源が必要不可欠なのです。
スムーズな電力切り替えを実現するカミンズの発電機システム
B1データセンターの非常用電源として選ばれたのが、カミンズの発電機システムです。このシステムは、QSK60エンジンを搭載したC2250発電機セット3ユニットと、DCM1000デジタルマスターコントロールシステム3台から構成されています。
C2250発電機セットは、停電から10秒以内に起動するよう設計されています。また、発電機セットはバッテリー式の無停電電源装置(UPS)と連携しており、発電機セットが起動するまではUPSから電力が供給されます。さらに、停電からの復旧後には、デジタルマスターコントロールシステムによって電力の供給元が主電源に切り替えられる仕組みです。
カミンズはこの構成により、電力を切り替える際の中断時間を最小限に抑え、顧客の機器に対する悪影響を無くすことに成功しました。また、主電源から発電機セットへの電力切り替えも容易なため、主電源を遮断せずに発電機セットのメンテナンス運転を行うことも可能になりました。
困難を乗り越えてプロジェクトを成功に導いた、カミンズのチームプレー
B1データセンターに発電機システムを構築する過程では、さまざまな問題が発生しました。しかし、カミンズはNEXTDC社の要求レベルに合わせたバックアップ電源システムを設計し、そのシステムを従来とは異なる環境に設置することに成功。また、カミンズのサービスチームは、作業レベルや装置の性能を落とすことなく、短納期でのシステム構築を成功させました。
カミンズの発電機に対する高い評価と、短納期を実現したサービスチームの能力が、このプロジェクトを成功に導いたのです。その後、NEXTDC社は、信頼性の高さと接続性のよさを兼ね備えたデータセンターの運営者として、クラウド革命の最前線で活躍を続けています。
※カミンズジャパンでは、現在、データセンターの非常用電源をお探しの事業者さまからのお問い合わせが増えています。お問い合わせ・ご依頼は、こちらのお問い合わせフォームからお願いいたします。
※この記事は、2021年9月15日に英語版で公開された記事を抄訳、再構成したものです。