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2023.08.14

ディーゼル技術の未来-カーボンニュートラルとの両立を目指して

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ディーゼルの未来について語るパネルディスカッションに参加

2020年11月、ディーゼル技術に関する意見交換を目的とする非営利団体「Diesel Technology Forum」の主催で、ディーゼルの未来について語るパネルディスカッションが行われました。

イベントには、カミンズで研究・技術部門長(Vice President – Research and Technology)を勤めるWayne Eckerleのほか、再生可能エネルギー大手のNesteの再生可能ディーゼル部門長(Vice President of Renewable Diesel)であるCarrie Song氏、産業用ディーゼルエンジンなどを開発するJohn Deere Power Systemsでマーケティング部門ワールドワイドマネージャー(Worldwide Manager - Marketing)を勤めるMichael Lefebvre氏が登壇。今後の技術開発や規制の影響、顧客の要求などについて議論を重ねました。

ディスカッションの中でEckerleは、「ディーゼルエンジンは今後も改良され続け、温室効果ガス(GHG)や大気汚染物質の削減において重要な役割を果たすだろう」と発言。さらに、最新のディーゼルエンジンと長距離輸送用トレーラートラックの効率を高めるため、さまざまな取り組みが行われていることに触れました。

その取り組みのひとつが、2016年に始まったクラス8の大型トラックの輸送効率を2倍以上に高めるための技術開発を推進するプロジェクト「SuperTruck II」です。SuperTruck IIでは、カミンズを含む4チームに対して技術開発のための資金援助が行われており、廃熱回収、エンジン制御、エンジン摩擦の低減、空気力学に基づく車両設計などの分野でイノベーションが期待されています。

SuperTruck IIの前身であるSuperTruck Iは、貨物輸送の効率を50%向上させることを目標に2010年にスタートしました。このプロジェクトは最終的に目標値を上回る成果が得られ、その成果の多くは製品化に役立てられています。今回のSuperTruck IIでは、SuperTruck Iを超える成果を目指して各チームが技術開発を進めています。

EckerleはGHGの削減にもつながる重要な技術として、「車両と環境条件との関連性が今後高まり、走行中に燃費を最大化するための"先読み技術”が進歩する」ことも紹介しました。

低炭素燃料とのハイブリッドエンジンが、ディーゼルの未来をつくる

ディーゼル技術のさらなる進歩は、過去20〜30年間の排出ガス制御技術の大幅な向上に支えられています。

Diesel Technology Forumによると、1990年頃に新たに開発されたディーゼルエンジンは、スモッグの主要因となる粒子状物質(PM)と窒素酸化物(NOx)の約98%を削減することに成功しています。1988年に発売されたディーゼルトラック1台からの排出量は、なんと今日のクリーンディーゼルトラック60台分に匹敵するといいます。

(画像はDiesel Technology Forumより)
ディーゼル技術は、過去30年間で著しくクリーンになったことを表す図。
(図中の訳)CLEAN DIESEL PROGRESS:「クリーンディーゼルの進歩」 Heavy-Duty On-Highway:「オンハイウェイの大型車両」 98% PM Reduction:「PM排出量が98%減少」 98% NOx Reducation:「NOx排出量が98%減少」

ディーゼル燃料は当面、オンハイウェイ・オフハイウェイ市場ともに主流であり続けると予想されています。しかし、バッテリーや燃料電池技術、新しいエネルギー源など、何らかの形で車両を電動化しなければ、ゼロエミッションを目指す顧客の要求に応えられなくなるでしょう。

これを解決するヒントが、ハイブリッドエンジンです。カミンズは、低炭素技術とディーゼルを採用したハイブリッドエンジンが、カーボンニュートラルを達成する上で重要な役割を果たすと考えています。

ディーゼルエンジンの未来を切り開くカミンズ

カミンズでは幅広いパワーソリューション製品を展開しており、近年は低炭素技術の開発に力を入れています。

エンジンの燃焼プロセスをモデル化する独自の技術も活かし、今後も、カーボンニュートラルの未来を見据えながらディーゼル技術開発を精力的に進めていきます。

※この記事は、2020年11月12日に英語版で公開された記事を抄訳、加筆したものです。

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