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2023.10.02
オークリッジ国立研究所と新たな鋼合金を開発。エンジンの大幅に改良へ
オークリッジ国立研究所と新合金を共同開発
2023年6月9日、カミンズは、オークリッジ国立研究所との新しい高温鋼合金の共同開発について発表しました。この共同プロジェクトは米国エネルギー省 車両技術局のLightMATプログラムの支援を受け、高温酸化耐性と強度を大幅に向上させる代替鋼合金の研究開発をめざして2018年にスタートしたものです。
このプロジェクトに携わったカミンズの応用科学技術局長のCorey Trobaughは、「オークリッジ国立研究所との協働による新素材の開発は、エンジンの改良と効率化への大きな道筋となりました。チームの研究成果が将来の改善に寄与することを誇りに思います」とコメントしています。
新合金がもたらすメリット
これまでエンジン製造に使用していた素材は、酸化やスケーリング、亀裂による早期劣化が生じるため、燃焼プロセスから更なる熱を取り出すことができず、エンジン効率の向上や排出ガスの削減が制限されていました。
一方、この新素材は一般的に使用されている商用鋼である「4140鋼」と比較すると高温での強度が大幅に改善し、少なくとも50℃の温度性能の向上を実現しています。また、 課題となっていた劣化経路も事実上排除されています。
さらに、600℃の条件下で新合金と4140鋼と比較すると、新合金の引張強度は85%高く、疲労強度も143%高いことがわかりました。新合金で製造されたピストンを用いた長期のエンジンテストでもクラッキングは発生せず、酸化やスケーリングもほとんど観察されませんでした。
今後、この新素材が活用されれば、カミンズ製エンジンの耐久性と効率はより高まることでしょう。カミンズはこれからも技術革新に挑み続け、お客様により良いサービスを提供するとともに、より持続可能な未来の実現に寄与することをお約束します。
※この記事は、2023年6月9日に英語版で公開された記事を抄訳、加筆したものです。